一般社団法人の理事・社員の選び方を完全解説

一般社団法人を設立する際、「理事は何人必要なのか」「誰を理事に選べばいいのか」 「社員と理事の違いがわからない」といった悩みをお持ちではありませんか?

当事務所では、これまで200法人以上の一般社団法人設立をサポートしてきました。 その経験から、理事・社員の選び方で失敗しないためのポイントを熟知しています。

この記事では、理事・社員の選び方について、法的要件から実務的な選び方のコツまで、 初心者の方にもわかりやすく解説します。設立をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。


目次

理事と社員の違いとは?

社員とは|法人の会員(オーナー)

一般社団法人の「社員」は、会社の従業員ではありません。社員(法人の会員(オーナー)/株式会社でいう株主)は、社員総会(会員が集まって重要なことを決める会議/株式会社でいう株主総会)で議決権(決議で投票する権利)を持ち、法人の方向性に「賛成・反対」を示す立場です。

つまり、社員は”最終決定権を持つ人”だと考えると理解が一気にラクになります。なぜなら、社員総会で理事の選任(理事を選ぶこと)や定款変更(法人のルールブックの改定)といった重要事項を決議するのが社員だからです。

実務では、社員の人選を軽く考えてしまい「後から運営が回らなくなる」ケースが本当に多いです。社員は”署名して終わり”ではなく、将来の理事選任や定款(法人のルールブック)変更にも関わるため、信頼関係が前提になります。

理事とは|法人の運営責任者

理事(法人の運営責任者/株式会社でいう取締役)は、法人の日々の運営を任される人です。対外的にも登記事項になり、銀行口座開設や契約の場面で「誰が運営者か」が見られます。

さらに重要なのは、理事は”責任がついて回る役割”だという点です。名義だけ貸すような感覚で引き受けるのは危険です(後述の失敗例でも詳しく解説します)。

理事の具体的な業務には、法人の業務執行に関する意思決定、銀行口座の開設や管理、契約書への署名・押印、事業計画の策定と実行、社員総会への業務報告などがあります。これらに加えて、理事には善管注意義務(善良な管理者としての注意義務)が課せられており、法人に損害を与えた場合は賠償責任を負う可能性もあります。

理事と社員の関係

ざっくり言うと、社員が「決める人」、理事が「動かす人」です。理事は社員総会の決議で選ばれるため、理事の任命権(選任=理事を選ぶこと)を握っているのは社員側、という構造になります。

この関係性を理解していないと、「理事が勝手に物事を進めてしまう」「社員が理事の業務を過度に干渉する」といった問題が起こります。

図解:一般社団法人の”決める”と”動かす”の関係

社員(会員/オーナー) ──議決権──▶ 社員総会(最終決定)
        ▲                                │
        │                                │(普通決議など)
        └──────────理事を選ぶ────────▶ 理事(運営責任者)
                                         │
                                         └──▶ 代表理事(法人のトップ)

なお、法人形態で役割が似ている人を並べると理解が早いです。

役割一般社団法人株式会社NPO法人
オーナー側社員(会員)株主社員(正会員等)
運営側理事取締役理事
最高意思決定社員総会株主総会総会

一般社団法人の全体像は、「一般社団法人とは」も合わせて読むと整理できます。


理事・社員の人数は何人必要?

最低人数

一般社団法人は、社員2名・理事1名が最低ラインです。理事と社員は兼任できるため、実質2名で設立が可能です。

よくある最小構成は次の形です。

  • Aさん:社員+理事(+代表理事)
  • Bさん:社員(サポート役)

この構成のメリットは、意思決定が早く、設立費用も抑えられる点です。

「夫婦でもいいですか?」は相談が多いですが、普通の一般社団法人なら親族でもOKです(ただし非営利型(税制優遇がある一般社団法人)を狙う場合は別の注意点があります)。

最適な人数の考え方

最低人数で作れるのはメリットですが、“最小=最適”ではありません。実際の相談では、「最小人数で始めたものの、意思決定が偏ってしまった」「理事が1人だけで負担が大きすぎる」といった声をよく聞きます。

人数パターン一覧(目安)

規模感社員(会員/オーナー)理事(運営責任者)向いているケース
小規模2名1名まず始めたい/意思決定を早くしたい
小〜中3名2名牽制を入れたい/役割分担したい
中規模5名3名理事会(理事の会議)も視野/対外信用
大規模10名〜3〜5名会員制度が中心/委員会運営も想定

例えば、社員3名・理事2名の構成であれば、理事同士で業務を分担でき、かつ社員総会での決議も過半数(半分より多い)が明確になります。

「設立要件(最低人数など)」は「一般社団法人の設立要件を完全解説」も参考になります。


理事の選び方|法的要件

理事になれる人・なれない人

まず大前提として、理事は”人(個人)”がなります。法人は理事になれません。

欠格事由(理事になれない条件)は法律で定めがあり、典型例として次のケースが該当します:

  • 一定の法令違反で刑に処せられ、執行を終わってから(または執行を受けることがなくなってから)2年を経過しない人
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人

実際の相談では、「過去に自己破産したが理事になれるか」と聞かれることがあります。この場合、復権(破産手続きが終了し、権利が回復すること)していれば問題ありません。

一方で、未成年でも理事になれる(ただし法定代理人の同意が必要)といった点は見落とされがちです。これは、一般社団法人法が「未成年者であること」を欠格事由としていないためです。

実務上は、欠格事由に該当しないことに加えて、次の観点も必ずチェックします。

  • 対外的に名前が出ても問題ないか(登記される)
  • 就業規則で「他団体の役員就任」が禁止されていないか
  • “名義貸し”ではなく、責任を理解しているか

特に3点目は重要です。「名前だけ貸してほしい」という依頼を受けた場合、賠償責任のリスクがあることを必ず説明しましょう。

社員との兼任は可能?

社員と理事は兼任できます。実際、最低人数の2名で設立する場合、両名が社員かつ一方が理事を兼ねるケースが一般的です。

また、社員として会費を払いつつ、理事として報酬を受け取ること自体も可能です。ここが曖昧だと、後から「お金の話」で揉めやすいため、設立時に明確化しておくことが重要です。

親族でも大丈夫?

普通の一般社団法人なら親族でもまったく問題ありません。夫婦や親子で理事・社員を構成することも法的には可能です。

ただし、税制優遇がある非営利型(税制優遇がある一般社団法人)の要件を満たす場合、親族理事が3分の1を超えないという制限(親族1/3規定)が絡むことがあります。

「最初は普通型でいい」と割り切るのか、「最初から非営利型要件も意識する」のかで、理事の人数や人選が変わります。

普通型と非営利型(ざっくり比較)

項目普通型非営利型(税制優遇)
親族理事の比率原則自由親族1/3規定など要件あり
人数設計最低人数でも可理事3名以上を検討しやすい
注意点ガバナンスが弱くなりがち要件を満たし続ける運用が必要

理事の選び方|実務的なポイント

理事に適した人物像

法律要件を満たしていても、「運営が回る理事」と「揉める理事」は別物です。実際の支援経験から、理事に向くのは次のタイプです。

1. 理念・ビジョンに共感している人

理事は”作業者”ではなく、法人の運営方針を背負う人です。途中で熱量がズレると、社員総会(会員の会議)や理事会(理事の会議)で揉めます。

例えば、「教育事業を通じて地域貢献する」という理念の法人で、理事の一人が「とにかく儲けたい」という考えだと、事業の方向性で対立が起こります。

実際の相談では、「理事間で意見が対立して前に進まない」というケースの多くが、理念の共有不足に起因しています。

2. 時間を出せる人(ここが超重要)

名刺に名前が載るだけでは運営は回りません。最低限、月1回程度の理事会または打ち合わせ、年1回の社員総会への出席、重要な契約や決裁の確認、メールやチャットでの連絡対応に参加できるか確認しましょう。

3. お金のルールを飲み込める人

社員はお金を払う側、理事はお金を受け取る側になりやすい——この構造を理解してもらうことが、後のトラブル回避になります。

4. 外部信用を補強できる人(著名人・専門家など)

信用力や知名度を上げるために、著名な人に理事になってもらう発想は有効です。ただし、信頼関係が前提で、「期待役割」「報酬」「関与度」を事前にすり合わせるのが必須です。

避けるべき人物像

逆に、次のタイプは避けた方が安全です。

  • 「とりあえず名前貸して」で入る人:責任理解がないまま就任すると、問題が起きた時に対応を拒否されるケースがあります。
  • 利害が強すぎる人(取引先・スポンサー等):運営の決定が”自社都合”に引っ張られるリスクがあります。
  • 多忙すぎて時間と権限のバランスが取れない人:「名誉理事」のような肩書きを設ける工夫も検討しましょう。

理事の人数バランスの考え方

人数は多ければ安心、でもありません。おすすめの考え方は次の通りです。

小規模(最初は小さく):理事1名+社員2名

メリット:

  • 意思決定が早い
  • 運営コストが低い
  • 管理負担が少ない

デメリット:

  • 理事への負担が集中
  • 牽制が効かない
  • 理事が動けなくなると運営停止

→ スピード優先。ただし”牽制が効かない”ため、社員は特に慎重に選ぶ必要があります。

拡大を見据える:理事2名(役割分担)+社員3名

メリット:

  • 理事同士で役割分担できる
  • 代表理事(法人のトップ)に業務が集中しにくい
  • 相互チェックが機能する

デメリット:

  • 理事間で意見が割れると調整が必要
  • 小規模に比べて運営コストが増える

→ 代表理事に業務が集中しにくく、相互チェックも機能します。

信用・ガバナンス重視:理事3名+監事(チェック役)1名

メリット:

  • 理事会を設置できる
  • 対外的な信用力が高い
  • ガバナンスが強化される
  • 監事による会計・業務チェックが入る

デメリット:

  • 理事会の運営負担が増える
  • 意思決定に時間がかかる
  • 人件費が増える

→ 理事会(理事の会議)を置くなら、この構成がおすすめです。

「一般社団法人のメリット・デメリット(運営負担も含む)」は「一般社団法人のメリット・デメリット」も合わせてどうぞ。


こんな理事・社員の選び方は危険!【失敗事例3選】

失敗例1:親族だけで固めて意思決定が停滞

最小人数でスタートする際、親族だけで固めるケースがあります。この場合、家庭内の雰囲気がそのまま会議に出る(言いにくい、決めにくい)、反対意見が出ず方針がブレる、外部から「身内団体」に見えて信用が伸びにくい、といった問題が起こりやすいです。

回避策: 最初から理事に外部を入れられないなら、せめて社員に”第三者目線”の人を入れる、または監事(チェック役)を置くなど、牽制を設計しましょう。非営利型を目指す場合は親族1/3規定も意識が必要です。

失敗例2:名義貸しで後から責任問題に

「名前だけ貸して」「出席しなくていいから」という形で理事に入れると、後から必ず揉めます。理事は運営責任者で、状況によっては責任追及が起こり得ます。

回避策:

  • 就任前に、事業内容・理念・役割・報酬を説明する
  • 理事会(理事の会議)や定例ミーティングの参加頻度を決める
  • 議事録を残し、決定プロセスを透明化する
  • 「名義だけ」の理事は絶対に作らない

失敗例3:報酬を決めずに設立して後から揉める

理事報酬を”ノリ”で始めると、「誰がいくらもらうのか」で後から必ずぶつかります。社員はお金を払う側、理事はお金を受け取る側という構造があるため、ここが曖昧だとトラブルの元です。

回避策:

  • 報酬の有無(無報酬も可)と決め方を、設立時に文章で決める
  • 「社員総会(会員の会議)で決める」など、ルールを定款や規程に落とす
  • 会費や役務の範囲とセットで整理する(会員規約が効きます)

理事の選任方法(手続き)

社員総会の普通決議とは

理事は、原則として社員総会で選任(選任=理事を選ぶこと)します。このとき多くのケースで使うのが、普通決議(過半数の賛成で決まる決議)です。

普通決議の基本ルールは、次のイメージです:

  • 出席要件(定足数):総社員の議決権の過半数を持つ社員が出席
  • 賛成要件:出席した社員の議決権の過半数で可決

「過半数」は半分より多い(51%以上)という意味です。

定款で決議要件を変更できる

ここが実務ポイントですが、社員総会の決議要件は定款(法人のルールブック)で調整できる部分があります。たとえば「社員が増えて出席が大変」な法人では、定足数を現実的に設計しないと社員総会が開けず、理事交代もできなくなります。

設立時の理事選定

設立時は、設立時理事・設立時代表理事を定款や必要書類で固め、就任承諾書などを用意して登記します(設立後に変更があれば変更登記=法務局に変更を届け出ることが必要)。

図解:理事選任フロー(設立後の基本形)

Step1  候補者を決める(役割・報酬・関与度も確認)
   ↓
Step2  社員総会を招集(議題に「理事選任」を入れる)
   ↓
Step3  普通決議で選任(議決権の過半数)
   ↓
Step4  就任承諾書など整備 → 議事録作成
   ↓
Step5  必要なら変更登記(任期満了・辞任・追加など)

設立の全体フローや必要書類は、「一般社団法人とは」「一般社団法人の設立要件を完全解説」も合わせて読むと迷いが減ります。


代表理事の選び方

代表理事(法人のトップ/理事長・会長と呼ばれることもある)は、「理事会を置くかどうか」で選び方が変わります。

理事会非設置型の場合

理事会(理事が集まって法人の運営を決める会議)を置かない場合、代表理事の選定(代表理事を選ぶこと)は、社員総会の決議または理事の互選などで行えます。代表理事を定めないと、理事全員が代表権を持つ扱いになる点も要注意です。

理事会設置型の場合

理事会を設置する場合、代表理事は理事会で選定します。また、理事会を置くなら機関設計として理事3名以上+監事1名以上が必要です。

比較表:理事会設置型 vs 非設置型

項目非設置型設置型
代表理事の選び方社員総会決議/理事の互選 等理事会で選定
必要人数のイメージ小さく始めやすい理事3名+監事1名〜
メリットスピード・柔軟ガバナンス・対外信用
注意点権限集中しやすい会議体運営の手間

理事会を設置するメリットは、理事間での相互チェックが機能する、重要事項の決定プロセスが明確になる、対外的な信用力が向上する、といった点にあります。一方、デメリットとしては、理事会の開催にコストと時間がかかる点が挙げられます。

代表理事を1名にするか複数にするか

代表理事は複数名にすることも可能です。ただし複数にすると、対外的には便利でも「責任と権限の境界」が曖昧になりがちです。最初は1名にして、業務が増えたら業務執行理事や委任範囲で調整する設計が無難です。


社員の選び方

社員の資格制限

社員(会員/オーナー)は、法人の最終決定権に直結します。そのため、誰でも社員になれるわけではなく、定款(法人のルールブック)で資格要件を明確にすることが大切です。

例えば次のように定義しておくと、後から揉めにくくなります。

  • 「正会員のみ社員とする」
  • 「一定の審査(理事会承認等)を経た者を社員とする」
  • 「会費を納めていることを条件とする」

この”入口設計”が弱いと、極端な話「議決権目的で入ってくる人」も排除しづらくなります。

実際にあったケースでは、社員資格を明確に定めていなかったため、法人の方針に反対する人が大量に入会し、社員総会で重要な決議ができなくなりました。後から定款を変更して社員資格を厳格化しようとしましたが、その定款変更自体が社員総会で否決されてしまい、手詰まりになったのです。

会員制度が中心の法人ほど、会員規約(会員のルールブック)で「入会・退会・除名・会費・サービス範囲」を文章化するのが必須です。会員規約は定款の詳細運用を補う位置づけ、と考えるとわかりやすいです。

会員規約で定めるべき項目:

  • 入会の手続きと審査基準
  • 会費の金額と支払い方法・期日
  • 会員種別(正会員、賛助会員など)と各種別の権利・義務
  • 退会の手続きと会費の返還有無
  • 除名事由と除名手続き
  • 会員が受けられるサービスの内容

社員と理事の兼任について

社員と理事は兼任できます。

ただし兼任が増えるほど「チェック機能」が弱くなるので、規模が大きくなる法人ほど、社員(監督側)と理事(執行側)をある程度分けるのがおすすめです。

具体的には、次のような設計が考えられます:

小規模法人(社員3名、理事1名)の場合:

  • 理事を兼ねる社員:1名
  • 社員のみ:2名 → 社員の3分の2はチェック側に回る

中規模法人(社員10名、理事3名)の場合:

  • 理事を兼ねる社員:2名
  • 社員のみ:8名 → 社員の8割はチェック側に回る

この割合を意識することで、「理事が暴走する」リスクを軽減できます。

社員が法人の場合

社員は法人でもOKです(株式会社が社員になることも可能)。業界団体などでは「社員=法人(会員企業)」という形が一般的です。

会員制度を軸にした成功例として、会員規約を整備して運営をスムーズ化し、会員数を伸ばしたケースもあります。


理事の任期と再任

理事の任期

任期(理事でいられる期間)は、原則2年です。この「2年」が地味に重要で、任期満了の定時社員総会で再び選任(重任=同じ人が再び理事になること)し直すイメージです。

再任(重任)の手続き

「同じ人が続けるだけだから手続き不要」と思われがちですが、任期満了時は変更登記(法務局に変更を届け出ること)が必要です。これを怠ると、過料(罰金)の対象になることがあります。

2年ごとに社員総会・議事録・登記の流れが来るため、最初から運営スケジュールに組み込んでおきましょう。


理事の責任とリスク

理事の賠償責任

理事は善管注意義務(善良な管理者としての注意義務)を負います。法人に損害を与えた場合、個人資産にまで賠償責任が及ぶ可能性があります。「名義だけ貸す」感覚が危険なのはこのためです。

理事就任のリスク

理事になることで、次のようなリスクを負うことになります:

  • 法人の債務について、個人保証を求められる可能性(特に銀行融資)
  • 法人が税金を滞納した場合、代表者個人に請求が来る可能性
  • 法人が不法行為を行った場合、理事個人も損害賠償責任を負う可能性
  • 理事としての職務怠慢により、他の理事や社員から責任を追及される可能性

リスクを下げる実務策はシンプルで、次の3つです:

1. 定款・規程を整備する

法人の運営ルールを明確にし、理事の権限と責任を文書化します。これにより、「何をすべきか」「何をしてはいけないか」が明確になり、ミスや不正を防げます。

2. 議事録を残す

決定プロセスの証拠になります。後から「そんな決定はしていない」「自分は反対した」と主張する際、議事録が重要な証拠となります。

議事録には、次の内容を必ず記載します:

  • 開催日時・場所
  • 出席者
  • 議題
  • 議事の経過(誰がどのような発言をしたか)
  • 決議の内容と賛否の状況
  • 署名・押印

3. 牽制を入れる

理事を複数に/監事を置く などの工夫により、一人の理事が暴走するのを防ぎます。

理事をお願いするときは、「どういう法人か」「何を期待するか」「リスクは何か」を丁寧に説明し、納得の上で就任してもらうことが大切です。


よくある質問(FAQ)

Q1:理事の報酬は必要ですか?

必須ではありません。無報酬の理事も法律上は問題ありません。

ただし、報酬の有無を曖昧にしたまま始めると、後から「なぜ自分だけもらえないのか」「こんなに働いているのに無報酬なのか」といった不満が出ます。

設立時に、次の点を明確にしておくことが重要です:

  • 理事報酬の有無
  • 報酬がある場合、金額と決定方法(社員総会で決議するなど)
  • 無報酬の場合、経費精算の範囲(交通費、会議費など)
  • 将来的に報酬を支給する可能性とその条件

実際の相談では、「最初は無報酬でも、法人が軌道に乗ったら報酬を支払いたい」というケースがあります。この場合、「事業収入が年間○○万円を超えた場合、理事報酬を支給する」といった基準を定款や規程に定めておくとスムーズです。

Q2:理事が辞めたいと言ったらどうする?

辞任自体は可能ですが、後任の確保と、必要に応じた社員総会での選任・変更登記がセットです。

理事が辞任する場合の手続き:

  1. 理事から辞任届を提出してもらう
  2. 後任の理事を選任(社員総会の決議)
  3. 新理事の就任承諾を得る
  4. 変更登記を申請(辞任・就任を同時に登記)

注意点として、理事が全員辞任してしまうと、法人の運営が完全に止まります。また、理事が1名しかいない場合、その理事が辞任すると法人は理事不在となり、業務執行ができなくなります。

こうした事態を避けるため、最初から補欠候補を考えておくか、複数の理事を置いて一人が辞任しても運営が継続できる体制を作っておくことが重要です。

Q3:理事会は必須ですか?

必須ではありません。理事会を置くかどうかは、法人の自由です。

ただ、理事会を置くと意思決定が組織化され、代表理事への負担が減る反面、会議運営の手間は増えます。

理事会を置くべきケース:

  • 理事が3名以上いて、役割分担を明確にしたい
  • 対外的な信用力を高めたい(銀行融資、補助金申請など)
  • ガバナンスを強化したい(相互チェック機能)

理事会を置かない方がよいケース:

  • 小規模で意思決定を早くしたい
  • 理事が少なく、会議体運営が負担になる
  • まずは柔軟に始めたい

理事会を置く場合、理事3名以上+監事1名以上が必要になるため、人数の確保も考慮しましょう。

Q4:社員は何名がベストですか?

最初は2〜3名が現実的です。会員制度を拡大するなら、議決権設計(1人1票など)も含めて定款で設計しましょう。

社員数の目安:

  • 小規模法人:2〜5名(意思決定が早い、管理が楽)
  • 中規模法人:10〜30名(会員制度として機能する規模)
  • 大規模法人:50名以上(業界団体など)

社員が増えるほど、社員総会の開催が大変になります。特に、定足数(社員総会を開くために必要な最低出席人数)を満たすための工夫が必要です。

例えば、次のような工夫が考えられます:

  • 書面決議や電磁的方法(メールなど)による議決権行使を認める
  • 委任状による議決権代理行使を認める
  • 定款で定足数を緩和する(総社員の3分の1以上など)

Q5:親族以外に適任者がいない場合は?

普通型(税制優遇のない一般社団法人)なら親族だけでも法的には問題ありません。ただし、非営利型(税制優遇がある一般社団法人)を視野に入れるなら、早めに第三者(専門家・協力企業など)の参画ルートを作るのがおすすめです。

具体的な対策:

  • 専門家を理事に迎える:税理士、行政書士、弁護士など
  • 業界の有識者に依頼する:同業他社の経営者、業界団体の役員など
  • 監事だけでも外部から選任する:理事は親族でも、監事を外部にすることでチェック機能を確保

また、最初は親族だけで始めて、法人が軌道に乗ってから外部理事を招聘するという方法もあります。


まとめ|理事・社員の選び方のチェックリスト

最後に、設立前にチェックすべきポイントをまとめます。

  • [  ] 社員(会員/オーナー)=最終決定権、理事(運営責任者)=実務運営、と理解できている
  • [  ] 最低人数(社員2名・理事1名)と兼任可を把握した
  • [  ] 理事は”名義貸しNG”。責任と関与度を説明できる
  • [  ] 代表理事の選定方法を理解した(理事会の有無で異なる)
  • [  ] 報酬・会費・経費のルールを文章で決める
  • [  ] 任期2年&任期満了時の変更登記を運用に組み込む
  • [  ] 社員資格を定款+会員規約で明確化する(入口設計)
  • [  ] 親族だけで固めない(または監事を外部から選任)
  • [  ] 理事に適した人物像を理解した(理念共感・時間・お金のルール理解)
  • [  ] 避けるべき人物像を理解した(名義貸し・利害強すぎ・多忙すぎ)

これらのチェックリストを確認することで、理事・社員の選び方で失敗するリスクを大きく減らせます。


一般社団法人の設立は当事務所にお任せください

当事務所では、一般社団法人の設立をトータルサポートしています。

当事務所が選ばれる理由

設立から運営まで、トータルでサポート  これまで数多くの設立をサポートしてきた実績があります。

失敗例も成功例も熟知  実務経験豊富な行政書士が、失敗しない選び方をアドバイスします。

わかりやすい説明  専門用語を使わず、初心者にもわかりやすく説明します。

まずは無料相談へ

一般社団法人設立の初回無料相談一般社団法人設立無料メールセミナー

最新情報をチェックしよう!
>一般社団法人の設立&運営相談受付中!

一般社団法人の設立&運営相談受付中!

一般社団法人は設立して終わりではありません。会員制度設計、資格ビジネスの始め方、WEB集客法、ビジネスモデルなどトータルでご相談いただけます!

CTR IMG